トシへ

朝起きて真っ先にトシの元へ行く。



ケージの中を見ると隅っこでうずくまるトシの姿。




昨日よりさらに辛そうで、呼吸数も少ない。



そっとトシを抱っこする。




いつもは素手で触れば必ずと言っていいほど噛み付いてきたトシが今は力なく私の手の上で眠っている。





嫌な予感を抱えたまま私は学校へと向かう。




お昼休み、どうしても気になって家に電話をした。



淡い期待を抱いていた。



ただの冬眠だったんじゃないか・・・とか。



だけど違った。



電話越しからトシの死を告げられた。



肺炎だったそうだ。



脱水症状も起こしていたという。




獣医さんの話では急に肺炎になったのではなくもっと前から具合がよくなかったのでは・・・




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