【20歳、初恋】
「あの、私一人で…!!」
私は慌てて男性に言った。
「いや、二人の方が負担も軽いし…俺今暇だからさ」
私の慌てようが面白かったのか、少しだけ口調が軽くなった。
「でも…!」
見ず知らずの人に書類拾わせるわけには…
「いいんだよ、俺がしたいからやってんだし」
そう言いながら、男性はサッサッと書類を集めあわせる。
男性の周りは白い紙じゃなくてモノクロタイルの床が見えている。
私の周りは…まだ白い絨毯状態。
やばい、急がなきゃ…!!
スピードを上げようと息を大きく吸った瞬間。
肩に、さっきの温かさを感じた。
ビクッ!!