takaramono
辛い恋、
走馬灯の様に頭の中駆け巡った。



今まで心底向き合えなかった辛い過去。



今なら向き合える。


きっぱり割りきれる。



そして前に進める。



過去。



過ぎ去りしもの。



そして得た今の自分。



急に胸が熱くなったのと

ハル君の腕の中が心地好いのと色々な感情が込み上げてきて


あたしは泣いた。


ハル君の前で泣いた。



無我夢中で大泣きした。


可愛くもなくぶりっこでもなく

大粒の涙と鼻水を流して泣いた。



メイクとかハンカチとか忘れてた。



気付いたらハル君が目を丸くしてた。



「俺何かした???」



「ううん。違うの違うの。何か急に涙が。」
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