Expansion-エクスパンション-
 光が収まった時、エネルギーの渦もルシファーも消えていた。

「ばっ……馬鹿な!!」

 あれだけのエネルギーを抑えたというのか!?

 力を使い果たした白銀は片膝をつき肩で息をする。

 アルシオは凄い形相で白銀を睨み付けると力強く右手を白銀に向けた。

「よくも……」
「おっと」
「!? がっあっ!」

 リャムカの声と共にアルシオは全身に電流が流れたような衝撃を受けた。

「わしらの事を忘れんでいただきたい」

 ナナンがしれっと応える。その手はアルシオの足に触れていた。

「きっ……きさまら」
「……」

 そんな光景に白銀は目を丸くした。

「は……ははは」

 自然と笑いがこみ上げる。
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