Expansion-エクスパンション-
 仕方ない、こんなヤクザな仕事をしているんだ。

 そんな女がすり寄ってくる事はよくある。確か前の女もそうだった……と嫌な過去を思い出す。

「大人しくしなさい。あなた程の『エナジー・ブレイン』なら元恋人の私も鼻が高いわ」

「やってる事が凶暴だぜ」

 向かってくる光の矢を避け続けるのは無理だ。

 こいつの力は知っている。だが……

「どうしたの? 女だからってナメてるのかしら」

「俺はおまえほど割り切っちゃいないんでね。記憶をそうそう帳消しには出来ないのさ」

「だったら素直に捕まって頂戴。あなたが必要なのよ」
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