Expansion-エクスパンション-
「スナイプなら自分でなんとか出来るんじゃないのか?」

「こんな老人にかね? 冗談も休み休み言え」

 確かにかなりの高齢には見えるが……緑の肌と白く長い髪を見やる。

「すまんね。スナイプの見た目の年齢はわからないもんで」

 個々の区別だってつかない。スナイプ人から言わせれば人間の区別の方が付きかねない。

「それで何を倒せばいいんだ」

 再度、聞き返す。

 いつまでじらす気なんだこのジジイ。と白銀は急かすように語気を少し荒げた。

「とても難しいモノじゃよ。お前さんに手伝って欲しいんじゃ」

 そう言うと老人はおもむろにバックパックに手を入れた。

 そこから出てきたものは──

「なんだそれは? 随分変わった波長を……」

「お前さんにこれを『倒す』のを手伝って欲しいのじゃ」

 それは直径15cm程の淡い色を不定期に変える不思議な輝きを放つ球体。
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