Expansion-エクスパンション-
 伝説とも言うべき『マナ・グロウブ』が目の前にある。

 これを手にすれば全てが思いのままと伝えられるエネルギーの集合体だ。

 喉から手が出るほど欲しがってるヤツはごまんといる。

 だが……

「これはあってはならぬもの。お前さん欲しいのか?」

 ひょい、と俺の前に差し出した。

「……っ」

 気軽に手渡そうとして白銀は少し体を強ばらせる。

「壊すならどこでも出来るだろ」

 青年は喉を詰まらせた。

「これを何だと思っとる。膨大なマナを蓄えたモノじゃぞ。むやみに刺激を与えたらどうなるか考えんかい」

 怒られた。なんで俺が怒られにゃならんのだ。
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