Expansion-エクスパンション-
 レストランに入ると一番奥のテーブルにディランがいた。

 白銀を見つけ笑顔で手を振った。

「!」

 ふとついてくる老人に目をやる。

「誰この人」
「ん、ああ。気にするな」

「どうもどうも、ヨロシク。ナナン・セリオルじゃ」

「あ、どうも。ディラン・ウォレストマンです」

 老人から差し出された手を素直に取って握手を交わす。

 その光景を白銀は席に着きながら溜息をもらした。

 彼はお人好しなのだ。

「おぬし、連邦に友人がいるのか。大したもんじゃな」

「別に俺が凄い訳でも、こいつが凄い訳でもねーよ」

「あはは、確かに。たまたま受けたら受かっただけだもんな」

 なんだそれは……そんな軽いノリで受けられちゃ連邦だってはた迷惑だ。

 相変わらずの軽い親友に白銀は心の中で呆れた。
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