Expansion-エクスパンション-
約束の日──ディランは港に行き白銀の船に乗る。
「それにしてもデカい船じゃのぅ~」
リビングルームで老人がディランに言った。
白銀は進路の調整にコクピットにいる。
それまでずっと老人は白銀と共にいた訳だが、残りの金を払うと言いつつ一向に出す気配は無く白銀は頭を抱えていた。
いっそ金は諦めて追い出してやろうかとも考えたのだが、『身寄りがない』とか『老人を足蹴にするのか』とか言いたい放題言われ追い出せずに今に至る。
「まあね~ここがあいつの家みたいもんだから」
コーヒーを傾けながらディランは応える。2人はのんびりと語り合っていた。 老人はお茶をすすり溜息1つ。
「と、いうとご両親は……?」
「それは──」
「そんな事聞いてどうする気だ? ジイさん」
進路の調整から戻ってきた白銀が厳しい口調で老人に低く問いかける。
少しの怒りがその瞳から窺(うかが)えた。
あまり聞いて欲しくない事らしい。
「それにしてもデカい船じゃのぅ~」
リビングルームで老人がディランに言った。
白銀は進路の調整にコクピットにいる。
それまでずっと老人は白銀と共にいた訳だが、残りの金を払うと言いつつ一向に出す気配は無く白銀は頭を抱えていた。
いっそ金は諦めて追い出してやろうかとも考えたのだが、『身寄りがない』とか『老人を足蹴にするのか』とか言いたい放題言われ追い出せずに今に至る。
「まあね~ここがあいつの家みたいもんだから」
コーヒーを傾けながらディランは応える。2人はのんびりと語り合っていた。 老人はお茶をすすり溜息1つ。
「と、いうとご両親は……?」
「それは──」
「そんな事聞いてどうする気だ? ジイさん」
進路の調整から戻ってきた白銀が厳しい口調で老人に低く問いかける。
少しの怒りがその瞳から窺(うかが)えた。
あまり聞いて欲しくない事らしい。