Expansion-エクスパンション-
「……」
白銀はゆっくりと倒れているライナを腕に抱きしめた。
「……っ」
息も絶え絶えのライナは白銀にニコリと笑いかける。
「よかっ……た。犬死にじゃなくて」
「ああ、お前のおかげで助かったよ」
必死に声を絞り出す。震える体を必死に抑えライナに微笑んだ。
「……」
白銀はナナンを見た。しかし彼は頭を横に振り、助からない事を示す。
「俺の力でも……」
「おぬしの力は目覚めたばかり。まだ人を助けられる程の力は出せない」
少しずつ冷たくなっていくライナの体。白銀はどうにも出来ない自分に苛立った。
白銀の頬にそっとライナが手を伸ばす。
「別れた女に涙を流すもんじゃないわ」
「ライナ……」
やめてくれ、ケンカ別れとかそんなんじゃない。
お互い理解したうえでの別れだ。
「ラ──」
ぽとり、と手が落ちて一気にぬくもりが失われていく。
見開かれた目に生気は無くナナンが静かにそのまぶたを閉じてやった。
白銀は数秒、呆然としたがライナの亡骸を強く抱きしめ体を震わせる。
「う……あああああああー!」
白銀はゆっくりと倒れているライナを腕に抱きしめた。
「……っ」
息も絶え絶えのライナは白銀にニコリと笑いかける。
「よかっ……た。犬死にじゃなくて」
「ああ、お前のおかげで助かったよ」
必死に声を絞り出す。震える体を必死に抑えライナに微笑んだ。
「……」
白銀はナナンを見た。しかし彼は頭を横に振り、助からない事を示す。
「俺の力でも……」
「おぬしの力は目覚めたばかり。まだ人を助けられる程の力は出せない」
少しずつ冷たくなっていくライナの体。白銀はどうにも出来ない自分に苛立った。
白銀の頬にそっとライナが手を伸ばす。
「別れた女に涙を流すもんじゃないわ」
「ライナ……」
やめてくれ、ケンカ別れとかそんなんじゃない。
お互い理解したうえでの別れだ。
「ラ──」
ぽとり、と手が落ちて一気にぬくもりが失われていく。
見開かれた目に生気は無くナナンが静かにそのまぶたを閉じてやった。
白銀は数秒、呆然としたがライナの亡骸を強く抱きしめ体を震わせる。
「う……あああああああー!」