Expansion-エクスパンション-
「怒っているかね?」

「ん? エナジー・ブレインの事かい?」

「ン……まあ」

 ディランの操縦で惑星ガースノリティから離れた船は何も無い宙域で停止していた。

 白銀はコックピットで1人、宙を見つめながら何も考えられない様子だ。

 考えられないというよりも思考を止めているようにも見える。

 ディランとナナンはリビングルームでコーヒーを傾けていた。

 リャムカはトレーニングルームを勝手に使っている。

 背もたれに体を預けディランは柔らかい笑顔で応えた。

「あいつね……あんなきつそうに見えるけど、周りの人間の事を大事にしてるんだ。俺に本当のコト言えば、俺が危険な目に遭うかもしれないって思ってたのかもしれない」

 あいつはいつもそうだった。とディランはぼそりとつぶやく。

「……シルヴィは良い友達を持ったな」

「!?」

 ディランが何か言おうとした時──船内に警報が鳴り響いた!
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