Expansion-エクスパンション-
それに白銀は怪訝な表情を浮かべる。
「じいさん……あんた何者だ? 俺の事もまったく驚かないし。まるで昔から知ってるみたいな言い方じゃないか」
「……」
白銀の言葉にナナンは視線を外して語り始める。
「遙か昔、ある天使が人間になりたいと1人のセラフィムに一緒に神に懇願してほしいと頼んだ。そのおかげでその天使は人間として転生する事が出来たが……神はそれは罪だと言わんばかりにその者が転生を繰り返しても記憶を消す事はなく……」
ナナンは一端、言葉を切り白銀に顔を向けた。
「ある日、子供を連れた男女が現れて『子供を頼む』と言った」
それ以来、影から見守り続けてきた。
それを聞くと白銀は呆れたようにナナンを見てため息を吐いた。
「なるほどね、あんたは『身内』だった訳か……上手く騙されたよ。知らないフリして近づいて面白かったか?」
「すまぬ……言えなかったのだ。親父殿が天界に連れ去られる事を止める事も出来ず、そんな不甲斐ない自分を知られるのが怖かった」
「じいさん……あんた何者だ? 俺の事もまったく驚かないし。まるで昔から知ってるみたいな言い方じゃないか」
「……」
白銀の言葉にナナンは視線を外して語り始める。
「遙か昔、ある天使が人間になりたいと1人のセラフィムに一緒に神に懇願してほしいと頼んだ。そのおかげでその天使は人間として転生する事が出来たが……神はそれは罪だと言わんばかりにその者が転生を繰り返しても記憶を消す事はなく……」
ナナンは一端、言葉を切り白銀に顔を向けた。
「ある日、子供を連れた男女が現れて『子供を頼む』と言った」
それ以来、影から見守り続けてきた。
それを聞くと白銀は呆れたようにナナンを見てため息を吐いた。
「なるほどね、あんたは『身内』だった訳か……上手く騙されたよ。知らないフリして近づいて面白かったか?」
「すまぬ……言えなかったのだ。親父殿が天界に連れ去られる事を止める事も出来ず、そんな不甲斐ない自分を知られるのが怖かった」