Expansion-エクスパンション-
「じいさん1人が止められるなんて思っちゃいないさ。向こうは天使様だからな。人間に何が出来る。だったらなんで俺に近づいた」

「アレを見つけた時、お前さんしか頼れなかったんじゃ……本当にすまん」

「勝手な!」

 するとリャムカが腹立たしげに白銀を睨み付けた。

「お師さまは苦しんでおられたのだ。貴様にそこまで責められる事ではない」

「やめろリャムカ」
「しかし、お師さま……」

「勝手に師匠と弟子ごっこでもやってろ」
「なんだと!?」

「ああっ! もうっいいから。みんな落ち着いてよ。ケンカしたって仕方ないだろ。そんな事よりこれからどうするかだよ」

「む……」

 ディランの言葉でようやく3人は現実に戻ってきた。

 冷めたコーヒーを傾けて4人はしばらく沈黙。
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