Expansion-エクスパンション-
「戻る戻ると……シルヴィは元々、人界の者じゃ!」

「少し……考えさせてくれ」

 白銀は目を伏せて言った。

「いいだろう。決心した時はいつでも呼ぶがいい」

 1人がそう言うと他の男2人はそのあとに続いて部屋から出て行った。

「シルヴィ。奴らの言葉を真に受けるんじゃないぞ」

 ナナンは言い聞かせるように白銀に厳しい目を向けた。

「権天使って何?」
「今それを質問するのか……」

 ディランの質問にリャムカは呆れて溜息混じりに見つめる。

「……あやつらはプリンシパリティーズと言って下級三隊の1つじゃ。人間にもっともよく似ている階級の1つ」

「なるほど、だから彼らが白銀の交渉に来た訳ですか」

 ナナンの説明にリャムカは納得した。

「でも、なんだってシルヴィを天国に?」

 ディランは首をかしげた。
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