Expansion-エクスパンション-
歓迎の証とでも言いたげに……黄色い瞳を白銀は睨み付ける。

「やあ、画面で見るよりも綺麗な白銀の髪だ」

 彼の怒りを無視するように平然と言い放った。

「貴様」

「来てもらうよ。セラフィムの息子」

 アルシオの瞳孔が縦に伸びる。

「!?」

 白銀は体の自由が利かない事に気付いた。

 こいつの能力は……!?

「! シルヴィ?」

 動かない白銀をナナンは一瞥しアルシオに視線を移す。

「おぬし『影縫い』か!」

「ご名答。気付くのが遅いけどね」

 そう言った瞬間──

「うっ……!?」

 建物の影から大勢の武装した男たちがナナンたちを取り囲む。

 アルシオは勝ち誇った笑みを白銀に向け目を細めた。
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