Expansion-エクスパンション-
 小型艇に乗り込みなんとか怪我もなく逃げ切れたナナンたち。

「こええぇ~」

 震えるエイルクにナナンは呆れて溜息を漏らした。

「何言っとる……おぬしはダメージなかろうが」

「無くても怖いもんは怖いの!」

 鉱石で出来ているエイルクの体はレーザーや銃弾(カートリッジ)の武器に強い。

 最も地位の低いダートでさえその体は強靱なのだ。

 さすがにミサイルなどには耐えられないが。

「で、どうすんのこれから」

 落ち着いた処でディランが話題を振った。

「シルヴィの気配を追う。この惑星はマナが澄んでいるのじゃ。奴らの悪意も遠くからでも嗅ぎ取れる」
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