あいのうた
…超怖かった。
男に触られる事なく生きてきたあたしは
あーいうことを初めて体感した。
相手の男がもがいている。
自分が悪いのになんで男はそうもがくんだろう。
「そいつもその気だったから声出さなかったんじゃないのか!?」
何か最悪。
あたしが悪いって言うわけえッ!?
てめぇが触ってきたくせに何言ってんの!?
オヤジを蹴ろうとした瞬間痴漢を止めてくれた男が、
オヤジを殴ってくれた。
「お前、人の気持ちも知らずに…!」
オヤジはひぃぃとうなり出す。
…ひとまず警察はあたしを出してくれた。
一本はやく乗るのが間違いだった!
と、ズカズカと歩いていく途中男が目の前に現れた。
「大丈夫?」
今さっき彼の顔をまともに見てなかったせいか、
彼の笑顔が素敵…と思った。