あいのうた
…それって…、宗君のことだったんだ。
あたしはただ、走ってる。
暗闇の中でずっと走ってる。
誰か私を救い上げて…。
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いつのまにか、宗君はいなくなっていた。
あたしはコーラを溝に捨て、残った氷を手に持ち
思い切り壁に当てた。
♪~♪~♪
…こうやって悲しいときにも間抜けなメロディが鳴るんだ。
受信:宗君
件名:どうした?
『緋芽どうした?』
送信は送らなかった。
ここでメールを送ったら親友じゃなくなりそうだったから。
あたしは弱かったんだ。
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クラスに入り、とびっきりの亜由の笑顔を見たら悲しいのも無くなった。
キーンコーンカーンコーン…
第1回のチャイムが鳴る。
宗君はどうしたんだろう…?
先生の話も聞かずにずっとそのことばかり考えていた。
侑里のこと考えると胸が痛い。
…いつのまにか放課後になっていた。
♪~♪~♪
宗君からメールが来た。
『今日どうしたの?教室行ってもいなかったし』
『なんでもない』
送信ボタンを押し、窓を見ると校門に侑里の姿があった。