あいのうた
家いっぱいに亜由の匂いがする。

亜由は1人暮らしだそうだ。

大きなアパートで、そこで親にお金を援助して暮らしているらしい。

亜由の部屋に向かう。

『あっ、うん…わかった。』

亜由の部屋から小さな話し声が聞こえる。

誰だろ…。

ドアを開ける。…宗君だ。

「緋芽ェ…。」

あたしはここから逃げ出したかった。

涙が溢れる・・・・。

「緋芽…。好きだ。」

…へっ??

「…へっ?だって、侑里…!」

侑里がいるじゃん…!なんでこんな…。

「侑里とは…。別れた。」

あんなにラブラブだったのに・・・。

「緋芽が川原でキス見てたのも気付いてた。だけど…。俺はお前が好きだから…」

宗君は無理やり、あたしを胸に引き寄せた。

あたしは顔を隠せ切れない。

「~~~~~ッ!」

宗君はあたしに優しい唇を寄せた。

あたしは、初めての口付けを交わす。

とにかく…宗君に抱きしめられる事が嬉しかったんだ。
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