偽りの結束
 二つのテントの前に着くと話し合った。


「一体何でこんな事になったんだ……。四人はあきらかに殺されていた」


 マジタニがそう言うと、


「この辺には人なんて滅多に来ないし、携帯も圏外だ……。それに二台とも車はパンクしている。近くに殺人犯が潜んでいるっていうのか?」


 透は頭を抱えて考え込んだ。それを聞いた和美と佐藤も青ざめている。可奈子は泣いており、マジタニは呆然としていたが、私は頭の中で色々な可能性を考えていた。

 近くに殺人犯が潜んでいたとして、それは無差別に殺人を繰り返しているのか? それとも、この中に犯人がいて、何かしらの理由を持ち殺人を犯しているのか? 無差別? いや無差別ではない。悟は死ぬ間際に言葉を残しているからだ。という事は、悟は殺される時、犯人が自分に殺す動機があった事を知ったのではないか? 


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