偽りの結束
 私とマジタニと可奈子は、テントに入ると小声で話し合った。


「クーラーボックスがあったって事は、ビールが入っていた可能性あるよな? それならケンとマサに、青酸カリを入れたビールを渡す事も可能だし」


「やっぱり、あの三人の誰かが犯人じゃないかなぁ」


「グルって事も視野に入れていたけど、今日子さんの死体を見た時の、あの三人の驚きようから考えて、三人が三人とも、芝居だとは思えないのよ。可奈子の言う通り、あの三人の誰かが犯人で、一人だけ芝居している可能性の方が高いかもしれない」


「話し違うかもしれね〜けど、あの和美って女、俺昔どこかで会った様な気がするんだよなぁ」


「えっ! マジタニ何処で? それは確かなの?!」


 私は少し声が大きくなり、マジタニに顔を近づけた。


「似てる女なのか、全くの別人なのか、確かな事は分からないよ」


 マジタニは困った顔をして、考え込んでいる。
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