偽りの結束
 演技にしては上手だなと思ったが、


「何をいうんですか透さん、どうして私達が仲間を殺さなきゃいけないんですか? それに悟は私の最愛の夫です。それより透さんは今日子さんと、本当に恋人同士だったんですか?」


 私がそう言うと、透は黙ってしまった。

 やはり恋人同士ではなかったのだろう。

 それにしても、透は本当に犯人なんだろうか?

 二年前に、私達が死体の演技をした様に、誰かが死体の振りをしているって事はないだろうか?


「透さん、誰かが死体の振りしているって事、考えられませんか?」


 私の言葉に透は驚愕している。


「まさか……。でも、もしそうだとしたら何の為に……」


「駐車場に行きましょう。全員の遺体を確かめる必要があると思います」


 こうして、私と可奈子と透は駐車場へ向かった。
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