偽りの結束
「そろそろ着くぞ! おいおい、可奈子いつまで食べてんだよ〜。お昼はバーベキューしてみんなで食べるんだからさ」


 ケンとマサは注意したが、可奈子はすでにクッキーの箱を二つも空にした後だった。

 久しぶりの会話に弾む私達六人は、キャンプ場に到着した。

 廃れてしまった駐車場には、私達の車しかなく、テントやバーベキューの道具などを、湖の側までみんなで運んだ。

 駐車場と湖は距離も近く、五分もかからない。簡易トイレは駐車場の近くに設置されており、周りは山に囲まれている。

 こうした自然の風景は、日常を都会で過ごす私達にとって貴重であり、歳を重ねる毎に、自然な場所を求めてしまうものなのかもしれない。

 湖の側にテントを張り、バーベキューを始めた。

 昔からテントを張るのは、ケンとマサ、そして料理担当は、私と夫の悟とマジタニだ。

 可奈子は食べるのが専門である。

 こうして学生時代の様に、私達六人はキャンプを楽しんでいた。
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