偽りの結束
1 キャンプ場での出会い
「こんにちはぁ〜」

 突然、新たにキャンプをしに来た男女四人が、声をかけてきた。

 私達は挨拶を交わした。

 そして、そのグループの若い男が、物腰の柔らかい話し方で、自己紹介をしてきた。


「僕は山田透と言います。こっちにいる女性は、僕の彼女で木下今日子です。そして僕の友人の佐藤高男さんと、佐藤さんの彼女である小山和美さんです。ダブルデートでキャンプに来たんですが、ここのキャンプ場は静かでいいすねぇ。まるで貸切りだ」


 私達もそれぞれ自己紹介した。

 四人グループの自己紹介をした、山田透という男は、温厚そうで好感が持てる。

 彼の彼女である木下今日子は、大人しそうで、会釈だけしていた。佐藤高男はおどおどした感じがして、口数が少なそうである。彼の彼女である小山和美は、ツンと横を向いたまま「どうも」と一言だけで、感じが悪かった。二年前、私達を強請っていた同級生の女に、どことなく似ている気がする。

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