偽りの結束
　二つのグループが、隣り同士でバーベキューをし、お互い作った料理を分け合ったりしているうちに、打ち解け、十人は楽しく盛り上がった。

　そして、四人のグループは、どうやら全員同じ会社らしかった。

　山田透は三十六歳で、彼女である木下今日子は三十五歳、佐藤高男は最年長で四十四歳、小山和美は三十八歳と言っていた。

　ダブルデートという事で、佐藤高男の車でキャンプに来たそうだ。

　しかし、私は四人の様子を見ていたが、何となく互いによそよそしい感じがする。

　山田透は自分の彼女だけでなく、他の人にも気配りがあり、隣に座って居る悟やマジタニにも、ビールを注いだりしている。

　木下今日子は、私と可奈子の話しを聞いて笑っているが、口数も少なく大人しい。

　佐藤高男は、ケンとマサとビールを飲みながら、楽しそうにしているが、ケンとマサに何か質問されると、おどおどして答えている。よほど人との会話が苦手なのだろう。

　小山和美は、ツンケンした態度で、誰でも構わずに突っかかってくる。だからとうとう、誰も話しかけなくなり、一人でそっぽを向きタバコを吸っていた。

　小山和美の彼氏である佐藤高男は、彼女を注意するわけでも、話しかけるわけでもないので、本当にこの二人は恋人なんだろうかと疑問に思った。それに、小山和美だけは、キャンプにふさわしいとは思えない格好だった。ヒールを履き、ブランドのバッグを見せびらかす様に持っている。一方、彼氏の佐藤高男は、作業着みたいな服を着ていて、靴は安全靴を履いている。どう考えても、この二人は恋人同士に見えなかった。

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