偽りの結束
 すると、マジタニまで会話に加わってきた。


「可奈子これでもモテルからなぁ。浮気はダメだぞ!」


 マジタニが余計な事を言った。


「えぇ〜もしかして、可奈子さん浮気した事あるとか?」


 山田透はすかさず可奈子に質問した。

 しかし、二年前その事で強請られていたのだから、誰かに知られたらいけないと、本能的に思った私は、一瞬マジタニを睨み、代わりに答えた。


「可奈子は浮気さんかしないわ。透さんも浮気はダメよ! でも心配ないわね、今日子さんは美人なんだもの」


 話題を振られた今日子は顔を赤らめている。


「ほんと、透さん羨ましいなぁ、俺達兄弟も美人の彼女欲しいですよ」


 ケンとマサが割り込んできて、声を揃えて言うと透さんは照れている。

 その時、佐藤高男もケンとマサにくっついてきて、黙ってビールを飲んでいた。

 そして悟は私の隣りに座り、九人は更に盛り上がった。

 しばらくして、一切会話に加わらなかった小山和美が、タバコを吸おうとしていたが、火が点かずイライラしてると、マジタニがすっと自分のライターで火を点けてあげた。



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