約束
「か、かおりちゃん・・?ごめん・・・」



「ううん・・・・違う・・・違うの。」



「うれしくて・・・どうしようもなくて。涙が止まらない・・・」



そのときだった。


ふわぁ・・・と。


少し甘いかおりがした。


矢上くんがあたしを抱きしめた。


「ごめん・・・!ずっとずっといいたくて仕方なかった・・・!」



矢上くんがあたしを抱きしめている手に力を入れた。



「や・・・矢上くん・・・くる・・しい。」



「ごっごめん!」


矢上くんがパッとあたしを抱きしめていた手を離した。



さっきから矢上くんは謝ってばかりだ。



「ありがとう・・矢上くん。」



そして。私の正直な気持ち。



「私も・・・・好きだよ。」



私がそういったとき。




矢上くんがとてもやわらかくて優しい笑みを浮かべた。



そのとき私たちは



10年越しに


気持ちを伝え合うことができた。


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