主従関係
見上げると怪訝な顔で私を見るエリカがいた。


「エリカ……。」


さっきまでの直人様のやり取りを思い出し胸が苦しくなった。


エリカに秘密にして付き合うなんて……。


ズキン。


私たちが付き合ってるなんて知ったら傷つくよね……。


とんでもない秘密を作ってしまったんじゃあ……?


直人様との交際を誰にもバレずに秘密に出来るのか分からず、言いようのない不安に駆られた。



「どうしたの?」


押し黙った私を不審に思ったエリカが口を開いた。


「……ううん。なんでもない……。」


「そう?」


エリカに力無く微笑んで見せた。
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