主従関係
「花蓮ってあの真田財閥の娘なんでしょ?花蓮が後を継ぐの!?」


私の気持ちとは裏腹にエリカは明るく聞いてきた。


「え……と。いちおそうなると思うけど……。」


「やっぱ、そーなんだぁ。いいな〜。」


「いいな?」


いいなって思うのは家を継ぎたいってこと??


不思議に思い、エリカを見つめると


「私……一人っ子なの。だから私がお嫁に行ったら、ウチの経営は誰かに譲らないと行けないでしょ?
でも、父は私じゃ任せられないから嫁に行って欲しいみたい……。」


そう言うと俯いた。


「……エリカ。」


「私って何なんだろ?政略結婚までさせられちゃうんだもん……。父は私の事なんか好きじゃないのよ……。」


「そ、そんな事ないと思うっ!!」


エリカが泣き出しそうな顔をしたから思わず叫んだ。
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