主従関係
「ありがと。……でも、勉強もお稽古も一生懸命してるのに…それでもお父様には認めて貰えないのってすごく……ツライわ。」



「直人は期待されてるじゃない?」



確かに直人様は周囲に凄く期待されている……。


ただそれは直人様にとってただならぬプレッシャーになっている……。


本人はそんな素振りなど微塵も見せないが。


何と答えていいのか分からずに押し黙っていると


「男に生まれたかったな……。そしたらお父様にも周りにも認めて貰えたかも……。」


ポツリといつもの元気なエリカの姿はなく、虚ろな目で足元の絨毯を見つめていた。
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