主従関係
〜直人Side〜


「真田先輩、今日も学校休んでましたね……。」



如月がハーブティーが入ったカップを俺の目の前に置きながら心配そうに言った。




自室でいつもは花蓮が入れてくれるお茶を今は如月が入れていた。



あれから一週間、花蓮とは会っていない。



花蓮は学校にも来ていなかった。




病気で伏せっているとの事だったが詳しい事は知らない。



「昨日、真田先輩のお見舞いに行ったんですけど…かなり重症でしたよ……。顔、見に行ってくださいよ。」


「行かない。」



内心、花蓮が心配だったがやっぱりまだ会いたくなかった。



「心配じゃないんですかっ！？」



頬を膨らませ不服そうに俺を睨んだ。



「俺はフラれたんだ。俺に隠れてずっと前から二人は付き合ってたんだ。二人に笑われてたのさ。とんだピエロだぜ。」



自虐的に言い捨て肩をすくませた。


「それとも如月がそんなカワイソーな俺を慰めてくれるの？」


如月をグッと抱き寄せ、至近距離で見つめる。



『バシンッ！！』


「ってー。」


いきなり如月よりビンタをくらった。


「そんな事あるわけないじゃないですかっ！？真田先輩の１番近くにいるのに分からないんですか？直人先輩の事ホントに好きだから諦める為に好きじゃない人と結婚するって覚悟を決めたんですよ！！家同士とか格差とか私には良く分からないけど、ウジウジしてないで男なら好きな女の為にどーにかしろっ！！」




一気にまくし立てハアハアと息をつき真っ赤にになった顔で俺を睨みつけた。


最後にはフンッ！と鼻息を立てて部屋から出て行った。
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