【一話完結×短編集】ビター&スィート
恋すらまともにしてなかった俺だけど
恋愛しようとしない俺を動かしたのも
全部、天宮で…
「花火大会…一緒に行くよな?」
ちょっと強気に強引に言いながら
取られていた手を強く握りしめ返すと
嬉しそうに笑って頷いた
「さっき何で迷ったわけ?」
抱き寄せて耳元で囁く
「だっ…だって…信じられなくて…」
頬を赤く染めながら言う姿が可愛くて…
誰にもこんな天宮を見せたくない
「本当に…夢…みたい」
そう言いながら俺の胸に
おでこをくっつける姿に
形勢逆転
鼓動が一気に早まる
これから始まる夏休み
きっと楽しい事がいっぱいだ
隣に天宮がいるだけで…
「バレンタインから…長い間
待たせてごめんな…」
そっと呟いた
あの日からようやく
2人の時間が重なり
流れ始めた気がする
【end】