【一話完結×短編集】ビター&スィート
・哀想
「あぁあ…残念」
そう言いながらも
出来上がったビーフシューの
お鍋を覗いて
思わず微笑んだ
祥ちゃんが美味しいって
大好きだって言ってくれた
ビーフシチュー
昨日から煮込んだから
すっごく美味しそうな匂いで…
「ん~…美味しそう」
思わず呟いた
祥ちゃんは大学時代の
サークルで1個上の先輩だった
入学してすぐ一目ぼれだった
告白してOKを貰えた時は夢かと思った
春から社会人になった祥ちゃんとは
今までみたいに一緒に居られなくて
仕事が忙しくて会えない事もよくある
でも、今年のバレンタインは日曜日
だから、朝から一緒に居られる
そう思って喜んだ