【一話完結×短編集】ビター&スィート
な…んで?



どうして…?




仕事だって…言ったじゃない…





仕事だって言ってたのに


祥ちゃんはスーツじゃなくて

普段の服装で…




祥ちゃんを呼び止めた人は

キレイな感じの人で…





私とは全く正反対の

スーツのよく似合ってる人だった




「……っ」





その人が祥ちゃんの腕を引っ張って


2人が…重なった





涙が溢れて止まらない





私はそこから駆け出した




走って




走って




ドアを閉めた…





玄関に流れ落ちるように


座り込んだ





「うっ…ひっく…


祥…ちゃん…」





誰か…嘘だって…



見間違いだって…


ねぇ…言ってよ…




流れる涙も拭おうとせず


ただただ泣き崩れた




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