【一話完結×短編集】ビター&スィート
泣きすぎて

頭が痛い




目も腫れぼったい




視界が狭く感じる




洗面所で顔を洗い


鏡に写る自分を見る




目が腫れて…


…ブサイク





「はぁ…」




泣きながら寝ている間に


空は夕焼け空になっていた





ビーフシチューのお鍋の蓋を開くと

美味しそうな

幸せそうな

そんな香りが広がる




「じゃあ、バレンタインには

祥ちゃんの好きなビーフシチュー作るね」




「真優莉のビーフシチュー好きだから

楽しみだな」




そう電話で言ってたじゃない…



あれも嘘だったの?




涙がポトポトと流れ


雫になって


ビーフシチューの中に消えていった




私の心も消えてけばいいのに…



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