フレアップ!!上巻
『あ、ご本人の登場ですね!彼に変わりましょうか』
マイクで体育館中に響く声。
舞台に立つのは紛れもなく古谷の姿だった。
古谷が口元を卑しげにゆるませ、また俺を挑発する。
俺が死にそうに睨みつけると、もうその時には、古谷は舞台袖を見つめて去っていっていた。
・・・ふざけんなよ。
弁解しなければ。全て間違いだとみんなに伝えなければ。
本当に死に物狂いで、道を静かに開ける生徒たちを見ながらゆっくりと舞台を目指す