フレアップ!!上巻
ここから逃げ出したくて、離れたくて仕方がない。
取り残された俺の足場は、見事に崩されてゆく。
周りの空気がもくもくと曇り、まるで小さい水滴が集まるかのよう。
もう俺の声は誰にも届かないんだ。
俺は握っていたマイクを力無く置くと、俯いたまま階段に足をかけた。
虚実を信じ込んでしまった彼らは、もう俺には何もいわない。
ここから他人が始まるのだ。
冷たい風を浴びると、俺の小さくなってしまった体は過敏に反応する。
熱が悪化したようだ、、、