フレアップ!!上巻


ほぼ全員の手が上がった。
女子も男子も。
上げていないのは、席替えしたくはないけど反対する勇気のなかった男子たちと俺くらいだった。

特に言えば相沢くんとか。




みんな手をあげているのか・・・



――――――――苅谷も?

教室を見渡す俺は、一番近くにいる苅谷の存在を忘れていた。

苅谷の様子を確認するのがすごく怖かった。だけど、俺の目は反射的に隣へと移った。
・・・隣で楽しそうに はーい と手を上げる苅谷の姿が目に写る。



・・・なんだ・・・・・・お前は席替えしたいんだな・・・。話すとあんなに笑ってたくせに・・・
わっけわかんねぇ・・・


間違いなく反対派だと思っていた苅谷は予想を反し、俺の気分を落胆させた。

苅谷はいま、どんな気持ちなんだろう?俺と話す毎日を日常の一部として見てるのだろうか。

心に引っかかる何かは、まだまだとれそうになかった
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