花葬の時間


結局、わたしは先生にこっぴどく怒られた。


くそー、先生たちは絶対騙されてる。そしてわたしの友人たちも。



『イチ君て可愛いよねー』


『うんうん、癒し系だねー』


可愛い?癒し系…?なんであんなやつが。


わたしは嫌悪感しか抱かないよ。いっつも気持ち悪い事ばっかり言ってるし。


怒りを抑えられないまま、乱暴に地面を踏み締めていく。



――ザッザッ


――ヒタヒタ



「………?」



後ろから誰かの足音がした。何気なく振り返った瞬間、恐怖は静かに訪れる。



「…………っ、」



悲鳴に鳴らない声を飲み込んだ。


イチ君だ。


イチ君が後ろにいる。



しかもさっきのあのグロい人形を手に、わたしの後ろを歩いてる。



―――ザッザッザッザッ


―――ヒタヒタヒタヒタ



わたしが足を速めても、ぴったりついてくる。



あ、足音が…!


足音がすでに気持ち悪い!!
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