花葬の時間


「臓物ぅぶちまけ〜て〜らるら〜ふんふんふん」


や、いやだ!き、気持ち悪い!なにその歌!臓物ぶちまけてんのに、らるら〜じゃないでしょ!


嫌だ、本当に無理。怖いし気持ち悪い!



チラリともう一度振り返ってみると、イチ君がわたしを見てニターっと笑った。



「い、いやぁあああ」



は、走れわたし!地の果てまで逃げるのよ!


あの人形、本当にわたしをイメージして作ったんだとしたら…。


あの人形を使ってわたしを殺すシュミレーションをしてたんだ。


そんな妄想をしてたわたしは、足元に転がる石に気付かないほど動揺してた。


「ぎゃんっ!」


派手にすっころんで、カバンが宙を舞い、わたしの頭に再び落ちてくる。


「ふぎゃっ!」


に、二重の災害だ…。もう嫌だ。イチ君がいると、いいことない。


そ、そういえば!


痛みで忘れかけていたイチ君の存在を確認しようと振り返っても、そこにはもう誰もいなかった。


「あ、れ…?」


いない。



「ニナちゃん」


「ぎゃぁああぁ!!」
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