ゲイな彼と札束
大型テレビ





報いだと思う。

アザだらけの腕や脚も、膝の擦り傷も。

切れた口の端も、腫れた頬も。

後頭部のタンコブだって。

全部、報いだと思う。



行き交う人々があたしを見る。

見てんじゃねーよって表情で威嚇すると、気まずそうに目を逸らす。

可哀想な目で見てんじゃねーよ。

あたしだってわかってんだ。

自分が捨て犬のようにボロボロなことくらい。

でも、あたしは見せ物じゃない。



あーちくしょう。

やっぱ新宿なんかで降りたのが間違いだった。



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