ゲイな彼と札束
水族館デートから数日経った。
この日は確か雨が降っており、やけに風が強いと思ったら台風らしい。
あたしの地元には台風がよく来ていたが、こんなものではなかった。
木々はしなり、道は木の葉や枝が散らばり、酷いときは大木も折れるから、生命の危機を感じる。
ナメてかかってはいけない。
西から東京までやってくる間に勢力が弱まるため、東京の台風は生命の危機までは感じない。
それでも交通機関に影響が出るため、マモルは出先から帰って来ることができるのか心配だ。
昼間なのに暗く、窓を少し開けただけで湿気を含んだ風がカーテンをバタバタ煽る。
天気予報によると、台風は今夜のうちに去り、明日はスッキリ晴れて暑くなるらしい。
窓を閉め、エアコンを除湿にして運転開始。
自分でコーヒーを入れてみたが、あまり美味しくない。
マモルはまだか。
何か嫌な胸騒ぎがする。