ゲイな彼と札束
ジョージは申し訳なさそうな顔でぽつりと答えた。
「マモルと話をしたくてね」
「どんな話だよ。結婚の報告か?」
「それも、だけど……。こういう事態になったこと、まずは直接謝りたい」
顔、体型、声、所作。
僻みもあるが、これだけ美しいと、本当に謝る気があるのか疑わしい。
素直なマモルがこの美に惑わされるような予感がして、会わせたくない。
混乱させたくない。
なんというタイミングだ。
せっかくあたしが感動の再会をしようという時に、邪魔をしないでほしい。
ジョージの顔を見れば、きっとマモルは気持ちをぶり返す。
「二人の問題は金で解決したんじゃないのかよ」
「法的、かつ対外的にはね」
「難しい言葉を使うな。わかりやすく言え」
「俳優・松島ジョージとしては解決した。でもそれは事務所が慌てて無理矢理解決しただけなんだ」