ゲイな彼と札束
物心が付いたときから、うちには親父しかいなかった。
酒とタバコと暴力が好きな親父に育てられたあたしは、当然のようにグレた。
中学時代、何度警察に厄介になったことだろう。
深夜徘徊、酒、タバコ、万引き、ケンカ、暴走族。
とりあえず不良と呼ばれる人種がやりそうな悪さは一通りやった。
警察に補導される度に親父の暴力はエスカレート。
このままでは殴り殺されると思ったあたしは、中学卒業と同時に処女をどこかのオッサンに10万で売って上京した。
それから、3年。
引っかけた男の家に、代わる代わる世話になりながら、なんとか3年。
中学時代の所業の報いだろう。
引っかかった男のほとんどは暴力が好きな男だった。