あたし÷俺様王子=禁断
乗客のみなさん、ギャル軍団の視線がいっせいにあたしに注がれる。



ギャル軍団を威圧するために家族の個人情報を切り売りしないでよ。ママ。



「でも、キレイなオネエサン。
妹さんはイケメンのお兄さんと顔が全然似てないっすよね?」


「キレイなオネエサンの娘さんでしょ。
イケメンのお兄さんの妹さんでしょ。
それにしては、ちょっとアレだよね……」



ちょっと!
不細工ギャル軍団!!
それ、一体どういう意味なのよっ!?



だから、こういう展開になるからイヤなんだって。



「なっ、ナニ言ってんのよっ!!
ウ、ウチのひなちゃんだって、超かわいいで……

まぁ、可愛らしい感じでしょ」


ちょっとぉぉぉぉぉぉ
ママ!!!
今、微妙にニュアンス変えて言ったよね!?



「かわいい」と
「可愛らしい」
似ているようだけど、このシチュエーションじゃ全然意味合いが違ってくるんだからね……



「まぁ、とにかく、今後は公共の場所で暴言を吐いたりしない事。
アタシは別に気にしてないから良いけど、乗客のみなさんに暴言を吐いた事をちゃんと謝りなさい」



いゃ、どう見てもママが、一番気にしてたよ。


「みなさん。
すいませんでした。
今後は、公共の場所で暴言を吐いたりしません。
本当にすいませんでした」



意外と素直に謝る
不細工ギャル軍団。



パチパチパチパチパチパチ



あたしのキモチはグダグダ感120%なんですけど、また拍手で締めちゃうワケね……
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