あたし÷俺様王子=禁断
「ヒヨコ王子って10年前は、今のひなちゃんと同い年ぐらいの男の子だったでしょ。
って事は、今は25歳ぐらいね。
あの時だって、超美少年だったんだから、10年で男に磨きがかかって超イイ男になっているわよぉ〜
たまらないわねぇ〜」



ちょっと、ママ、
ヨダレヨダレ!!



あたしの妄想によって興奮しちゃうとヨダレを垂れ流す体質は、ママ譲りだったんだ。



似て欲しい顔は全然似ないのに恥ずかしいトコばっか遺伝しちゃうのね……



『でも、あたしが、どんなに彼の事を好きだったとしても、約束を破られて会いたくても会えないじゃん』


「ヒヨコ王子は約束を破っても、ひなちゃんとの約束を忘れるような男じゃないわよ。
きっと、ひなちゃんの前にいつか現れるわ。
ってか、私がマジ会いたいし。
現場にパパがいなかったら逆ナンしたかったぐらいの美少年だったんだもん♪」



そんな事を言ってるとパパに報告しちゃうからね。



あっ、でも、10年前のママってコギャル上がりの21歳だったんだよね。



もしも、ママが逆ナンしちゃってたら、彼はOKしてたのかな。



ってか、前から思ってたんだけど、彼にヒヨコ王子ってアダ名を付けるのは、
ヤメテよね。



あたしの永遠の王子様をギャグキャラにしないで欲しいんだけど。



「とにかく、女の子はいつも笑顔を忘れずにね。

『笑顔の角には王子様きたる』

って昔から言われてるでしょ。
バッチリ決まったわね。
はい、拍手」



ことわざ勝手に作らない。



そして、何が
「はい、拍手」だよ。



エリカ様かってのっ!!



「あっ、パパからLOVEメールが来たっ♪♪
安心してパパ。
私が愛してるのはパパだけよっ♪♪♪」



ハイハイ。
それは良かったですねぇ〜



こうして、あたしの
「New Prince 小早川くん」と出逢うための冒険旅行は、グダグダな感じで終わっちゃったんだ。
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