あたし÷俺様王子=禁断
現れたのは学校一の優等生で正統派田舎美少女のナミだった。


「ひなちゃん、ミウちゃん。こんにちは」



『こんにちは。ナミ』



「ナミ〜
元気そうじゃん」



「てへっ♪」



何が「てへっ♪」なのか意味わからん。



そっか、お兄ちゃん争奪戦の強力なライバルの存在をすっかり忘れてた。



あんま存在感ないよね。
ナミって。



「三人揃って同じ高校に合格した事ですし、三人揃ってラグビー部のマネージャーになりませんか?」



「ウチらはナミと違って商業科だけどね。
っうか、マネージャーなんてダリいモン、アタシはパスだし」


『あはははっ。
ミウはそうだよね。
とにかく、三人でラグビー部の練習を見に行こうよ』



「そうしましょう。そうしましょう。
ひなちゃん、ミウちゃん」



「ダリィけど、付き合ってやるかぁ〜」



ミウのテキトートークをここは上手く利用して、ナミをマネージャー候補から引きずり下ろさなきゃ。



『そんじゃ、ウチら美少女トリオでラグビー部に見参だっ!!!』



「っうか、自分で美少女って言うか普通。
それ、懐かしのアニメ
『美少女戦士セナムーン』みたいじゃん。
てか、ひなのセリフ、昭和ぽくって古くさいし。誰の影響?」


『あっ、それは間違いなくママの影響です。
そんじゃ、合言葉いくよぉ〜
昭和生まれは全員〇〇〇〇』



「オバサン♪」


「えっ!
でもでも、私もこの際だから言っちゃうからねっ。オバサン♪」



『アハハッ』

「ギャハハハハハッ」

「あはは」



昭和生まれの全ての女性を激怒させちゃう合言葉を叫びながら、おバカなテンションのまま、ウチら三人はラグビー部を目指し駆け出した。
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