あたし÷俺様王子=禁断
神社の境内に迷い込んだあたしを怒鳴りつけてきた人は、今のあたしと同じ中学生ぐらいのカッコいい男の子だった。



5才の女の子にとっては、中学生ぐらいの男の子はとっても大人に見えた。



頼りがいがある反面、
恐い対象でもあった。



『だってだってだって、
うゎあぁぁぁぁん』



「あっ、オマエ、迷子か!?」


『ひっくひっく。
う、うん』



「とにかく早く泣き止めよ。ヒヨコもびっくりしてんじゃねぇか」



『あっ、ごめんね。ひな』



「なんで、ひなって名前にしたんだよ?」



『だって、ちょっとピンクでしょ。
おんなのこだから、わたしとおなじなまえにしたの』



「そいつ、オスだよ。男の子」


『えっ!?』
< 2 / 226 >

この作品をシェア

pagetop