あたし÷俺様王子=禁断
「このぐらいのかすり傷はラグビー部の練習で慣れっこだよ」


『でも、全身を打ってると思うから救急車を呼ばないと!!』


「いゃ、近くに服部記念病院が有るからさ、そこまで歩いて行くよ」



お兄ちゃんは直ぐに立ち上がった。



「イテテテテッ。
ははは。
やっぱ、まだ痛いや。
ワリィけどさ、病院まで
一緒に付いてきてくれよ」



『あっ……』



その時、あたしの手は、
お兄ちゃんの逞しい大きな手に包まれた。



「どうした?」


『う、うん。
お兄ちゃん、助けてくれてありがとう』



「バカ。
妹を守るのは兄貴として当たり前の事だろ」



お兄ちゃんと手を繋いだのって何年ぶりなのかな。



昔はよく繋いでもらったんだ。


でも、あたし、なんでドキドキしてるの??



きっと、お兄ちゃんの事が心配だからだよね。
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