あたし÷俺様王子=禁断
「ひな。
どうしてボーッとして歩いていたんだよ。
バイクにも気付かずに危なかっただろ」



『ごめんなさい。
でも、お兄ちゃん、どうしてあたしの近くにいたの?』



「ミウちゃんからメールが来たんだよ。
それで、ひなの事が心配になってストーカーごっこしてたワケさ。
デカイ兄貴が後ろからつけて来ているのに全く気付かないなんて重症だな」



ミウのおしゃべりっ!



てか、勝手にお兄ちゃんとメアド交換しないでっ!



お兄ちゃんには知られたくなかった話だったのにぃ〜



「しかし、ラグビーのトライの練習がこんな所で役に立つとは思わなかったよ。
ギリギリでバイクに手が届いたからな。
でも、血まみれの顔になっちまって、せっかくの綺麗な顔が台無しだな」



『ごめんなさい』



「ワリィ。笑えない冗談だったな」



お兄ちゃんも冗談を言えるぐらいだから大丈夫だね。



でもでも、冗談抜きで妹のあたしだってドキドキしちゃうぐらい綺麗な顔をしてるんだ。



兄妹なのにあたしと
顔が全然似てないし、
神様不公平だよっ!



でも、どうして、兄妹なのに顔が全然似てないのかな……



「ひな。
どうしてレンとケンカした事を俺に話さなかったんだよ」



『えっ、それは、恥ずかしかったから……』
< 30 / 226 >

この作品をシェア

pagetop